『西行桜桜』を公開しました

新作読み切り漫画『西行桜桜』を公開しました。平安時代後期の歌人・西行が主人公の能『西行桜』を、著しく改変した作品です。

完全に桜シーズンに遅れてしまいましたが、花見気分でご覧ください。

なお読み方は「さいぎょうおうおう」または「さいぎょうウォウウォウ」でお願いします。

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原作は西行と老翁が桜を愛でて舞うだけの閑寂な話なのに対し、本作は随分とにぎやかになっています。とはいえ展開はほぼ同じです。以下は能『西行桜』のあらすじ。

1. 一人で桜を眺めている西行の庵に、酔客が来訪して、静寂を壊される
2. 「花見客を集めてしまうのが、桜の罪だ」という意の和歌を詠む
3. いつのまにか客がいなくなり、老翁（桜の精）が現れる
4. 老翁は「草木は心が無いのだから、桜に罪はない」と異議を唱え、西行は自分の非を詫びる
5. 老翁は西行と会えたことを喜び、桜に関する詩句を歌いながら舞い、夜が更けていく
6. 西行が目を覚ますと、老翁の姿は消えていた

劇的な起伏は皆無ですが、充実した美と和やかさに満ちています。『西行桜桜』ではこの精神を参照し、嫌味のない和やかさと楽しさを描きました。そのあたりを感じ取っていただければ幸いです。