comico登竜門参加の経緯と目的

誰にも聞かれてなどいませんが、タイトルの件について説明します。

どんな経緯で comico から声がかかったの?

ドンジニア』と『メトロブルー』で comico 月間賞を取った実績が主な理由のようです。ある日 comico 編集部からメールで「過去に優秀な成績を収められましたので、登竜門に参加しませんか?」とお声がけいただきました。

参加作品について、comico から何か要望はあった?

皆無です。

これまでに発表した作品、新作、どちらでも可でした。今回は後述の目的を達成しやすそうな『ドンジニア』で参加しました。

作品の内容についても特に制限はありません。「公序良俗に反するものや、犯罪を助長するのものはNG」ぐらいのものです。(伊勢が山田を殺そうとするシーンがありますが、それは OK みたいです)

なんで登竜門に参加しようと思ったの?

前回のブログ で軽く触れましたが、もう少し詳しく話すと、以下の目的がありました。

  1. 短い締切の中で作品を生み出す練習をしたい
  2. 頻繁にふりかえりをして理論を洗練したい
  3. コケてもリスクが無い

順に説明していきましょう。

1. 短い締切の中で作品を生み出す練習をしたい

僕は昔から描くペースが遅く、1作品毎に長考するタイプでした。『ドンジニア』はだいたい1ヶ月に1話のペースで描いてました。それはそれで作品を練られていいのですが、「締切が無い」という楽な状況に留まっている、とも言えます。

一方、登竜門は毎週締切があります。これは僕のコンフォートゾーンを抜け出し、これまでと異なる方法で描くことを求められます。短い締切では、1話あたりにかけられる時間は少なくなります。その制限の中で面白い作品を作る方法を習得できれば、また月1ペースに戻ったときにもプラスの影響があるはずです。

正直言うと、最初の数話は1話あたりに詰め込むべき分量がまるで分からず、苦労しました。月1の頃よりページ数を減らさないと睡眠時間が無くなるので、当然減らしたのですが、そうすると以前までのリズムを実現できません。結果として読者から「前の方が面白かった」というコメントを頂いていますし、僕も 「そうでしょうね!」 と思います。しかし、その認識の元に改善は行っており、徐々に新たなリズムを見出しつつあります。

2. 頻繁にふりかえりをして理論を洗練したい

僕は作品を公開するたびに、ひとり反省会(いわゆる「ふりかえり」)を行っています。たいてい何らかの学びがあり、改善すべき課題が見つかります。

月1ペースよりも週1ペースのほうが、単純に考えて4倍は学習の機会が増えます。それにより、僕のオリジナル漫画理論が早く洗練されるのは間違いありません。

3. コケてもリスクが無い

上述の目的は、全然達成できずに終わる可能性もあります。ものすごくつまらない作品しか描けなかったり、締切を落として干されたり、ロクな学習もできず、徒労感だけ得て終わるかもしれません。

しかしいずれの場合も、僕の生活や人生を脅かすような結果にはなりえません。学習のチャンスと、失敗がもたらす影響を天秤にかければ、前者を取るのが妥当でした。


そんなわけで、僕としては登竜門に参加したことで、個人的な目的を順調に達成しています。全10話を描き終えるまでに読者の皆さんが面白いと感じる作品を作れるかどうかは保証できませんが…。

どうしても楽しめなかったら、『モジャ公』を読んでください。こっちは間違いなく面白いモジャ。