チラシ配りのバイトを街角で見かけるたび、「なってないぜ」と呆れます。
彼らは、通行人と区別の付かない地味な服装で、何の興味も惹かれない宣伝文句を、小さな声で呟いています。これでチラシを受け取ってもらえるでしょうか?否です。
チラシを受け取ってもらうには、通行人が通り過ぎるわずか数秒の間に、「チラシを手にしたい」という欲求を喚起させねばなりません。
この点を良く理解しているのが、ホットペッパーです。
ホットペッパーのチラシ配りは、まず赤く目立つのぼりを掲げています。さらに彼ら自身も赤い帽子にジャンパーを身に付けています。これにより、遠くからでも「あ、ホットペッパーだ」と認知できるようにしています。
そして人混みの中でも10mは通る大きな声で、3~5秒程度の売り文句を伝えます。その内容も、「駅周辺で使えるクーポンが満載」といった、メリットをイメージしやすいものです。
これらの戦略により、彼らは通行人に対して10~20秒程度のアプローチができます。確実に存在に気づかせ、興味を惹くのに十分な時間を作り出しています。先述の、存在に気づかれることすら無いチラシ配りとは、成果も段違いでしょう。
世の中のチラシ配りは、こうした**「ホットペッパー戦略」**を見習うべきです。
ここまで書いておいてなんですが、僕はどんなチラシ配りもスルーしています。チラシやクーポンはネットでゲットする派なので…。
唯一の例外は托鉢 (たくはつ) 中の僧侶です。
彼らを見かけると、何も語られていないのにコインを投入したくなります。何かを受け取るどころか、こちらから与えたくなるのです。ホットペッパー戦略を超える引力を、托鉢僧は秘めているとしか思えません。
この謎の力については、まだ原理が分かっていません。分析が終わり次第、**「托鉢僧戦略」**として発表する予定だぶつ。