30歳を過ぎた頃から、急激に味覚が変化してきたのを実感しています。それに伴い、嗜好も20代の頃から大きく変化しました。
例えばウィスキー。20代の頃は、フルーティーな香りのする、甘いタイプが好きでした。しかし30代に入ってから、ピート (泥炭) 香が強く、甘さは控えめで複雑な味がするタイプを好むようになりました。
パイプタバコも、20代の頃は柑橘系やチェリーの香りがする、 華やかな 着香系タバコが好きでした。が、現在はラタキアという、俗に「正露丸臭い」とも評される葉の燻製が入った、無着香のブレンドを好むようになりました。
ご飯のおかずは、肉や魚ばかり食べることがなくなり、梅干しや漬物を合わせて食べるようになりました。
こうして見ると、全体的に味覚のスイートスポットが 土の味 に寄ってきています。
もはや肉体的な成長は終わり、衰えと死への進行が始まり、やがて大地に還るその時に備え、おのずと味覚が変化したのかもしれません。土の中に入った際に「土マズイ」と感じないよう、肉体が自主的に訓練をしているようです。ちょっと気が早すぎやしないか。
このペースだと、40歳で野草を食べ、50歳で泥水を飲み、60歳では近所の公園で子供がままごとで作った泥団子を奪って食べかねません。
怖い。老いるのが怖い……。