村田川名人の冒険島

「どんな漫画を描きたいか」という漠然とした問いに対して、僕は「行けば楽しめる のようにしたい」と考えています。

島には様々な 観光名所 があり、そこに至る が走っています。「観光名所」は「面白い表現」や「ユニークさ」の比喩であり、「道」は「読みやすさ」や「わかりやすさ」の比喩です。

観光名所がショボかったり、スタバやマクドナルドのようにどこにでもある施設だらけなら、その島を訪れる価値はありません。たとえ観光名所が面白くても、そこに至る道が過酷なオフロードなら誰もアクセスできません。僕の理想の島は、ユニークで「来て良かった」と思える名所があり、そこに至る道が整備されていることです。


名所を育てることと道を整備することは、かなり異なった取り組みです。漫画で言えば、前者はキャラクターやエピソードを考えることで、後者はそれらを起承転結で論理的に筋道立てて繋げる行為にあたります。どちらが欠けても、観光客は楽しめず、「また訪れたい」という気持ちにならないでしょう。


僕はしばしば観光名所にたくさんのギミックを凝らし、道をおろそかにする癖があります。その結果、僕の作品は「なんか変わってるっぽいけどよくわからん」という残念な結果になりがちです。

最近はそのへんを意識して、道の整備にも気を使うようになりました。読者全員がオフロードカーに乗っていると思わず、原チャリで来られるぐらいの道を敷くように心がけています。原チャリは僕も好きですし。


さらに進化した理想形は、道自体を面白くすることです。道にダッシュやジャンプ板を設置したり、ワープポイントに突っ込んで別の場所にテレポートしたり。道端に大量のコインがあったり、亀の甲羅を投げてほかの読者をクラッシュさせたり。


比喩が限界に近づいてきたので、初代マリオカート(スーファミ)をプレイして寝ます。